今年4月13日の紫電改潜水調査に続き、7月21日(日)の早朝、2度目の現地調査を行った。前回は2隻7名だったが、今回は、メディアや地元出身の県議や市議にもご参加いただき、総勢は3隻14名となった。そのほか、海岸から数名が見守った。
前回は海底の紫電改が藻などに覆われて全体像が把握できなかったため、今回は付着物を除去して引揚げ方策の検討に有効な映像を入手することを主たる目的とした。そのためにダイバーは4名、前回の倍となった。
天候は晴れ、8時前から日差しがきつく、海に出ると、容赦ない猛暑にさらされた。
現地に到着すると、すでに潜水部隊は調査を始めていたが、なかなか水没地点を特定できない様子。
波はどんどん大きくなり、時に横波が船腹を叩く。腰をかがめて潜水部隊を見守るが、ひとり、ふたりと顔色が悪くなる。30分過ぎると、潜水部隊から「濁りが激しくて、機体の位置がわからない」との連絡が来た。
とはいえ簡単にあきらめるわけにもいかず「近くに寄って何とか撮影できないか、もう一度、試してほしい」と依頼する。
その間にも、我慢の限界を超えた数名が船腹から顔を出して「撒き餌」を始めた。
その時、機体を探していた潜水部隊から「機体の位置がわかってもこれでは撮影は不可能」との連絡が入り、こちらも体調不良が甚だしく、ついに第2次調査を中断することになった。
こちらから声を掛けてご参加いただいた方々には大変申し訳ない結果となったが、海のご機嫌には逆らえない。ロケットの打ち上げを見に苦労して種子島まで行ったら打ち上げ延期になったようなものか。
しかし、大きな成果もあった。こんなこともあろうかと4月の潜水の際に録画してあった動画を持ってきていた。この動画が大活躍してくれた。
さすがNHK記者の編集能力はすごい!迫力ある映像と分かりやすいナレーションの立派なニュース映像に仕上がっていた。
しかもありがたいことに、当日の夜から翌日にかけて4回も放送していただいた(確認できた回数)。特にびっくりしたのは、地方版だけかと思ったら、午後1時過ぎからの「列島ニュース」でも放送されたことだ。これは紛れもなく全国放送である。
当初の調査目的は果たせず、船酔いと熱中症一歩手前のさんざんな1日ではあったが、今後に向けてはずみのついた1日でもあった。